
涙道手術
涙道手術
涙道手術は、涙の通り道(涙道)が詰まっている場合や、涙の排出に異常がある場合に行われる手術です。涙道が正常に機能しないと、涙が目から鼻に流れず、涙目(流涙症)や感染症などの問題が起こることがあります。涙道手術は、こうした症状を改善し、正常な涙の排出を回復させるための治療です。
ドライアイは、目を守るのに欠かせない涙の量が不足したり、涙の質のバランスが崩れることによって涙が均等に行きわたらなくなる病気であり、目の表面に傷を伴うことがあります。いわばドライアイは涙の病気といえます。高齢化、エアコンの使用、パソコンやスマートフォンの使用、コンタクトレンズ装用者の増加に伴い、ドライアイ患者様も増えており、その数は2,200万人ともいわれています。
軽い症状であれば少々疲れを感じる程度ですが、症状が悪化すると角膜までが傷がつき、激しい痛みを感じ炎症が出てきます。残念ながら涙の分泌量を増やす治療・薬は現在ありません。点眼をまめにして経過を観察します。
「目がショボショボする」など、初期症状がドライアイと似た病気に「眼瞼痙攣(がんけんけいれん)」があります。40歳以上の女性に多く、症状が進むと自分の意思で目が開けられなくなります。ドライアイの治療を受けても回復しなければ、詳しく調べることをお勧めします。
ドライアイは、長時間パソコンやスマートフォンの画面を見続ける若い人が訴えて受診されることが多い病気であることは事実ですが、実はドライアイで受診する人の半数近くは50歳以上の方々が占めています。その理由として、年齢を重ねるとともに涙を作る機能や粘膜が衰え、ドライアイになる可能性が高まると考えられています。
シェーグレン症候群(Sjogren’s syndrome)は、自己免疫疾患の一種であり、体の免疫系が自分の体の外分泌腺(特に涙腺や唾液腺)を攻撃することで引き起こされます。その結果、涙や唾液の分泌が減少し、口や目の乾燥などの症状が現れます。中年の女性に多く発症し、関節リウマチや全身性エリテマトーデスなど他の自己免疫疾患と併発することがよくあります。
点眼で効果が不十分な場合は、涙の出口である涙点に栓(涙点プラグ)をして、涙の生理的な排出を人為的に遮断する治療を行います。涙点プラグ手術は片眼2~3分です。
通常通り洗顔も可能ですが、強くこすったりすると、目に傷がついたり、プラグが取れたりすることもあります。
涙は、目の表面を潤したのち、目頭にある涙点という小さな穴から吸い込まれ、涙小管・涙嚢・鼻涙管を通って鼻腔に排出されます。鼻涙管閉塞症とは先天的または後天的に鼻涙管が細くなり、つまる病気です。涙の排泄が悪くなり目から涙があふれてきます。
定期的に涙道を洗う処置「涙嚢ブジー法」を行います。成人で改善が見られない場合、ヌンチャク型シリコンチューブを留置し閉塞・狭窄部の拡張をする「涙管チューブ挿入術」を行います。15分程度の手術です。数ヶ月留置して涙の通路を確保しながら涙道を洗う処置を引き続き行います。
手術方法
涙嚢ブジー法、涙管チューブ挿入術
所要時間
片眼15分程度
通院日程
手術(当日)→翌日→医師の指示による
感染や炎症を防ぐために、抗生物質や抗炎症薬が処方されます
手術後の経過観察が必要です。涙道が正常に機能しているか、再閉塞がないか確認します。
手術後は目をこすらないようにし、清潔に保つことが大切です。鼻腔や目に刺激を与えないように注意します。
涙点プラグ | 1割負担片眼 | 約1,100円 |
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2割負担片眼 | 約2,200円 | |
3割負担片眼 | 約3,300円 | |
涙管チューブ挿入術 | 1割負担片眼 | 約4,000円 |
2割負担片眼 | 約8,000円 | |
3割負担片眼 | 約12,000円 |
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