マルチスキャンカラーレーザー
疾患の種類・患部の位置により、3色の治療光を選択しています。スキャン機能を搭載した新機種MC-500 Vixiでは、短時間・高出力で、一度に複数箇所のパターン照射が可能になりました。(下図:従来の設定でレーザー1発を打つ間に9発パターン照射可能)
従来の方法では3,4回に分けて網膜全体に光凝固を行っていましたが、パターン照射では2回程度で汎光凝固が完成します。これにより、糖尿病網膜症や網膜中心静脈閉塞症など、広範囲にレーザーを行う必要がある疾患に対して、総レーザーエネルギー量を減らし、従来よりはるかに痛みが軽減され、短時間・短期間に治療を行えるようになりました。
『レーザー治療は痛い』という常識を覆す画期的な装置です。※痛みには個人差があります。
糖尿病網膜症、網膜中心静脈閉塞症
無血管領域に網膜光凝固をおこなうことにより、網膜の虚血や低酸素の状態を改善させます。 あくまでも網膜症の病勢を抑えることが目的で、視力を回復させるものではありません。そのため、レーザーにより視力が低下することもあります。
早い時期であればかなり有効で、将来の失明予防のために大切な治療です。治療は外来で行います。進行の状態によってレーザーの照射数や範囲は異なります。
こちらの症例は糖尿病網膜症の眼底写真です。左写真はレーザー治療前に行った、蛍光眼底造影検査の結果です。右写真は検査結果を基に出血部位を囲むようにほぼ全体をレーザー治療しました。現在視力1.2で、安定した経過をたどっています。
網膜裂孔
網膜裂孔とは、網膜というフィルムに裂け目や穴が開いてしまった状態です。放置した場合、その裂け目や穴に目の中の水が入り込み網膜が剥がれる危険性があるため、裂け目の周囲の網膜をレーザーで焼き固め(図1)、網膜剥離の発生率を低下させます。
レーザー治療で進行を予防できなかった場合や、すでに進行して網膜剥離(図2)や硝子体出血(図3)が起こってしまった場合には網膜復位術(強膜バックリング)や硝子体手術が必要になります。
レーザー治療費
3割負担 | 片眼 30,060円 または 47,880円 |
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※H26.4月現在
※別途診察検査代
70歳以上の方は窓口での支払い限度額が適用されます(ひと月あたり)
3割Ⅲ | 252,600円+(医療費-842,000円)×1% |
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3割Ⅱ | 167,400円+(医療費-558,000円)×1% |
3割Ⅰ | 80,100円+(医療費-267,000円)×1% |
1割・2割 | 18,000円 |
低所得区分Ⅰ・Ⅱ | 8,000円 |
※H30.8月現在
レーザー虹彩切開術 LI
閉塞隅角緑内障の治療に使用します。この病状は、虹彩と水晶体の間が狭くなり、房水が後房に溜まってしまいます。こうなること虹彩の根元が隅角をふさいだ状態になってしまいます。そのような症状の時に、虹彩にレーザーで小さな穴をあけて、房水が前房へ流れるようにバイパスを作ることで症状を改善します。また、発作を予防する効果もあります。
費用
虹彩 光凝固術LI |
1割負担 | 約7,000円 |
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2割負担 | 約14,000円 | |
3割負担 | 約21,000円 |
※H26.4月現在
※別途診察検査代
後発白内障レーザー(ヤグレーザー)YC-1600
主に眼内レンズを支える膜が濁ってくる症状(後発白内障)の後嚢切開術に使用されています。水晶体の後嚢をレーザー光線で破って視力を回復させます。温度変化などによる影響を受けにくく安定したレーザー出力が得られます。
費用
後発白内障レーザー | 1割負担 | 約1,600円 |
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2割負担 | 約3,200円 | |
3割負担 | 約4,800円 |
※H26.4月現在
※別途診察検査代
炭酸ガスレーザー手術
レーザーメスとして使用されており、出血も少なく周辺組織への影響も低いのが特徴です。また瘢痕や色素沈着を残しにくいと言われています。
当院では眼瞼下垂術や眼瞼周囲のイボ・ホクロの切除に用いられています。炭酸ガスレーザーを使用することにより止血と凝固をしながら組織を切開することができる為、出血が少なく短時間で侵襲の少ない手術を行うことができます。
費用
手術により異なります。